くさなぎ井戸端会・・・軽度発達障害啓蒙活動を通して見えてきたこと

 LOCOMS代表 細野

 

 まずは、この活動を始めたきっかけをお話します。

 以前、私は美容・エステティックという仕事を通して人々のお肌や身体と心のケアをしていました。

そこには、シミや、ニキビ、シワなどのお肌のトラブルや悩みを解消されたい方がたくさん来られたわ

けですが・・・。例えばシミを改善したいと言ってきた方がいます。では、まずはどうするかと言うと、そ

の方のシミにばかりに視点を置いていては、シミは解消されないんですね。その方の、生活リズムや

食生活、健康面や人間関係など、あらゆる視点からシミのできた原因を探って総合的にホーリスティ

ックに対処していくのです。

 このように、シミを良くしたいと思ったならば、『シミだけを見ていたのでは、シミはよくならない』ので すね。実は、このときの経験が、その後の私の子育ての視点に生かされることになったのです。

 

 以前の接客業と言う仕事を通して、私は今までに、幾千もの数え切れないほどの人々と出会ってき

ました。二人として同じ人はいない、様々なタイプの方と接することは、私にとっては、とてもワクワク

する事でした。「人間て面白い。人間て素敵だな。」・・・どんなトラブルが生じようと、これが、私の人

間観でした。 

 

 私が初めての子どもを持ったとき、成長発達して行く我が子を目の前にして、『人間の発達を知り

たい』と思うようになりました。『発達を知ることで、この子に適した子育てができるかな・・・?』と考え、

“人間への興味“もあり、また、反省の意味も込めて通信の大学で心理学を学ぶ事にしました。そして

“軽度発達障害”についても学びました。

 これ以前から、軽度発達障害について、多少の知識はあったのですが、改めて学習していくうちに

障害を持たないとされるわが子の持つユニークなところも「なるほど・・・」と理解できるようになってき

たのです。発達とは、連続したもので、どこからどこまでが障害だと線引きできるものではないです

ね。我が子の持つユニークさも、発達障害を持つ子どもも同じ地平線上にあるものだと思えました。

“軽度発達障害”についての理解に近づくことは、自分の子育てを理解することに繋がるのでは・・・

と考えたのです。そして、私は、更に理解を深めたく実践的な学びがしたいと考えました。

 

 しかし、当事者の子を持たない、一般の親とされる私が参加し学べるような会が、当時は、どこを探

してもありませんでした。それどころか、やっと、当事者の親が集える会が幾つか出来てきていたとい

う所だったのかもしれません。親であれば、『我が子をよく育てたい』と誰もが思うことです。

 

 「この子は、どのようにしたら、よく育つのだろう・・・?」と考えました。

 

 そこで「ははあ〜、子育てもシミも一緒だな・・・」と思いました。シミと子どもを一緒にするな!!と叱

られそうですが『我が子を良く育てたいと思ったならば、我が子だけを見ていたのでは、我が子は良く

は育たない』のですね。子どもを良く育てたいと思っても、一人での子育ては、とても責任が重く、果て

しなく感じるものだけれど、子どもは社会の宝でもあるのです。人間とは、社会の中で、様々な他者と

関係性を持ってして生きていくものである・・・。ならば、地域の中で子どもを育てることが、私にとって

見たら、現実的な子育て法だと思ったのですね。

 

 そこで、「“軽度発達障害”について学ばせていただける会がないのなら、作ってしまえ!!」という

事で、平成18年9月に発足したのが『子育ち・親育ち&軽度発達障害啓蒙“くさなぎ井戸端会”』

でした。

 

 どの子も・・どの親も・・みんなで分かち愛・認め愛・許し愛ながら

       『うちの子も』+『よその子も』=『地域の子』として、

             共に成長し続けて行けることを願うものです。

 

 始めたのは、3人のコア・メンバーで、障害を持たないとされる一般の親たちです。

1〜2ヶ月に一度、定期的に開催しています。現在、参加される方々は、当事者の親であったり、一

般の親、学校の先生、学生など、立場を異にして学んでいます。ここでは、発達障害の専門的な知識

を学習するのではなく、座談会形式で、軽度発達障害に関する周囲の様々な出来事について、話し

合ったり考えたりしています。

 その後、平成19年4月より『お母さんが輝く“ママpika学習会”』を開催し、自分の子育てを通して

親子関係を知ることで、子どもとの効果的なコミュニケーションを持つ学習を続けてきました。

 こうして、参加者の皆さんとディスカッションするうちに、子育ての悩みや苦労は、深刻さや困難さに

差はあっても親たちは共通し経験している事であり、自分の子育てを通して、皆が分かち合い、考え

合っていけることを実感しています。こうした、『くさなぎ井戸端会』『ママpika学習会』の活動をとおして感じたことを次ページでお話したいと思います。