【子育ち・親育ちの視点】

 ピンチはチャンス。子どもとの関係性の中で子どもに教えられたこと、気付かされたこと、失敗したこと、改めたこと、反省したことなどを綴ります。

失敗ばかりの毎日だけど、お母さんを許してね。

教えてくれてありがとう。育ててくれてありがとう。

                

  ////// セシリアの涙 //////

 

「楽しんでくるね。お母さんも楽しんでね。行ってま〜す!!」と毎朝ニコニコ元気よく登校するセシリアが

ある朝初めて、ぷりっとふくれて、淋しそうに登校しました。・・・・そうです。やっちゃたのです。

失敗しました・・・・

 

朝から兄妹間で何やらトラブルがあったようで、セシリアは別室にいた私に泣きながらその事情を訴えに

来ました。太郎吉は、「すぐに言いつけるんだから。」と怒って言いましたが、私と目が会うと罰の悪そうな

顔をし、目をそらせました。

「太郎吉、セシリアが泣いているよ。何があったか知らないけど、どうしたらいいのかな?」

「ごめんって謝ったけど、ダメだって言うんだ。」

「セシリア、太郎吉も謝っているよ。許してあげたら?」

登校時間も近づいており、私はセシリアを泣き止ませようと焦っていました。早くこのトラブルが落ち着くよ

うにと少しイライラしながら、問題解決をさせようと子ども達をコントロールしていました。

「お母さんはあなたたちの喧嘩には入らない、といつも言ってるよね。セシリアはいつも泣いてくるけど、

お母さんは自分達で話し合って欲しいの。」

と過去の事を持ち出してしまいました。それを聞いたセシリアは、急に泣くのを止め、淋しそうに私を見つめそして、私に背中を向けかばんをしょいました。

よくよく事情を太郎吉に聞いてみると「嫌がるのにシツコクちょっかいを出した。喧嘩したわけではない。

悪かった。」と言うことでした。太郎吉は、時に非常にシツコイことがあるのです。

「そうか・・・」と私は思いました。

セシリアは決して、犯人は太郎吉だと証明したくて来たのでも、トラブルの解決策が欲しくて泣いて来た

のでもなかったのです。そんな事は自分で出来ます。その時点でセシリアが必要としていた事は、私に、

ただ自分の感情を受け入れてもらいたいという事だけだったのです。私は可哀想なことをしてしまったな〜

と反省しました。

「もっとしっかりと、セシリアの泣いている意味を考えてあげればよかった。セシリアの感情を聞いてあげればよかった。辛かったのか、悔しかったのか、悲しかったのか。」

感情を汲み取り、受け止め、尊重してあげればよかったと。泣く事をやめさせるのでなく、感情を発散させ

てあげれば緊張から開放されただろうにと。

 

セシリアは、「いってらっしゃい。」と見送る私の顔を見ることもなく、下を向いたまま玄関から出て行きまし

た。セシリアの淋しそうな背中を見つめながら、「さて、帰ってきたら、なんと言って謝ろうか・・・」と真剣に

考えていました。

しかし、いつものように何事も無かったかのように明るく元気よく帰宅したセシリアを、私はいつものように

「おかえり。楽しかったのね?」と出迎え抱きしめ、心の中で「ごめんね。次は気をつけるからね。」と謝っ

ていました。