子育ち・親育ちの視点

///  PTA総会  ///

 

 

我が子の通う小学校のPTA総会に出たときのことです。この学校には、880名近い生徒が通い、地域でも

評判が良く、レベル(何のレベルなのだか?今でも私にはわかりませんが・・・)が高いとされており、

保護者も教育熱心であると言われています。そこで校長先生から次のようなお話を頂きました。

 

『子どもの教育は学校だけでできるものではない。地域や学校、それぞれのご家庭が一緒になって取り組

まなければなりません。そこで各ご家庭では、

 1.子どもによい手本を見せてください。

 2.子どもは、自分にとって都合の悪い事は言わないものです。ですから、子どもの言うことが全てでは

   ないということです。子どもの言うことをうのみにして、学校に苦情を言ってこられる方が増えています

   が、冷静になり情報を集め対応を考えてください。

 3.教師も子ども達をなんとか良くしたいという思いを持っています。子どもを伸ばすには、互いに信じあっ

   て行くことが大事です。互いに子どもの良いところを見つけ伸ばして行く努力をしましょう。』

 

 これが、校長先生から、レベルの高いといわれている学校へ子どもを通わせている親へのお話なのです。

私は、ちょっとがっかりしました。もっと違うお話が聴けるかと思っていたものですから。しかし、このような

お話をしなければならない校長先生の立場を思うと、私達保護者はもっと姿勢を正して、子ども達のために

も学校と良い方向を目指して行く努力をしなければならないと感じたのです。

 

 そして、以前読んだ、教育学博士の小野田正利先生の書いた、『悲鳴をあげる学校』(旬報社)を思い出

していたのです。

 

『悲鳴をあげる学校』の内容は、

いまどきは、「自中心主義」的、親が増えているというのです。これは、「自分の子どものことしか考えな

い」「自分の子さえよければどうでもいい」という考え方です。その保護者や地域から学校への要求には

3段階あるといいます。

 

    1.要望  2.苦情  3.イチャモン(無理難題要求)

 

このイチャモンは学校不信の構図ではないかと小野田先生は推察します。

学校に対して正当な要望が受理されない状態が続いているケース(例えば、いじめ問題の深刻化・不登

校の悩み・LD児への配慮など)がイチャモンを引き起こす原因になっているのではないかと考えています。

 

これに対し、学校側では、学校の課題として悩める条件があるといいます。

    1.相次ぐ教育改革の処理に追われている。

    2.児童・生徒の安全確保

    3.保護者への対応

 

このような状況から教職員の間では「教職員の、のむ・うつ・かう」という言葉が生まれているそうです。

    のむ・・・酒を飲まなきゃやってられない

    うつ・・・うつ病

    かう・・・宝くじを買って3億当てて退職

 

この学校へのイチャモンの構図は、弱いものいじめの構図であり、いまや学校だけがターゲットになってい

るわけではない。とし、民間会社、医者、弁護士・・・と、広がり社会全体に「言ったもん勝ち」の風潮がある

といいます。そして、学校へのイチャモン急増の理由を3つの仮説としてあげています。

 

    1.日本の学校は生徒指導を一つの機能として抱えていることから、苦情の受け口としておかれ、

      際限なく無理難題をも受け入れざるを得なかったこと(間口の広さと言い易さ)

    2.マスコミによるステレオタイプ化した学校像・教師像の繰り返しのよって、増幅傾向に拍車が

      かかっていること

    3.ここ数年間の国が主導する「教育政策」の質的変容が、教育不信・学校不信を生み出し、末端

      の学校がそれらの「尻ぬぐい」をさせられていること

 

さらに、学校神話として

   1.昔ながらの「学校というものは子どものために何が何でも全力を尽くすべき存在だ」

   2.「学校はすでに機能不全に陥っている。かくなる上は構造改革を徹底的におこなうべき存在なんだ」   などが、根強くあるといいます。

 

これら、イチャモン打開として、小野田氏は、

教師に向けて・・・教師は保護者対応の難しさに追い込まれると、その事のみが焦眉の課題と錯覚しがち

           だが、その事にかまけて子どもの教育が二の次になっている場合が少なくない。

           教師の値打ちは、何をおいても子ども対応(教える事、学ぶ事)で発揮される。

           教師の顧客は親ではなく子どもである。

保護者に向けて・・今学校の教師が、どういうサイクルで、どう行動しているかみるとよい。

 

と言っています。そして、イチャモン現象の裏側には、その「本質」として、・・・一見すれば、学校側にとっ

てはイチャモンに近い内容にしても、じつは親としての「思い」や「願い」が背後にあることもある。

と付け加えています。最後に、保護者へのお願いと理解の為に

    1.「本音はこれよ」といってほしい。

    2.トラブル=子どもの成長の課題と考えて欲しい。

    3.日本の学校は閉鎖的か?・・そうではありません。世界を見渡しても日本ほど家庭に情報が提供

      されている国は無いのです。

 

学校も親も子どもを挟んで同じ方向を見ているのです。学校も親も子どもに良くなって欲しいと願っている

のです。親は、学校を理解するように努め、学校は親の本質を見るように努めながら、この距離を縮めて、

未来ある子ども達を育てていけたらと考えました。

 

(参考)

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