子どもと繋がるテクニック(供

子どもと一緒に、身体を使って『詩』を楽しもう!!子どもとの共感を味わおう!!

 

         春 の う た                草野 心平

            かえるは冬のあいだは土の中にいて春になると地上にでてきます。

            そのはじめての日のうた

   

  ほっ まぶしいな。

   ほっ うれしいな。

 

   みずは つるつる。

   かぜは そよそよ。

   ケルルン クック。

   ああ いいにおいだ。

   ケルルン クック。

   ほっ いぬのふぐりがさいている。

   ほっ おおきなくもがうごいている。

   ケルルン クック。

   ケルルン クック。

                        光村図書  「国語 四・上」より

 

 

 これは、小学校4年生の国語の教科書にある詩です。

 ある日、太郎吉はこの詩を音読するという宿題をもらって帰ってきました。

 太郎吉が読み始めました。私は心の中で

 「何だか変な呪文みたいだ、いやいや、こりゃ、お経だな?」と呟きました。

 「でも、よく聞くと素敵な詩だな。」と。

 

 思わず、「ちょっとお母さんが身体を使って表現してみるから、それに合わせて音読してみてくれる?」と、

 太郎吉にリクエストしてみました。太郎吉は「又、変なこと言っているよ。」と言いつつも、私が動作を始め

  るとそれにつられて読み始めました。

 私に息を合わせるように・・・。

 すると、太郎吉の音読は、まるで「気」が入ったように生き生きとして、その情景を映し出したのです。

 

  『まぶしい! うれしい! つるつる。 そよそよ。 いいにおい!』

  太郎吉は、五感をよみがえらせて一生懸命に読んでいます。

  私も五感と全身を使って一生懸命に、右に左に動きます。

  「次は太郎吉もお母さんと一緒に身体を使って読んでみようよ。」

  と誘うと、以外にも素直に「うん。」と言い、今度は二人で声をそろえて身体で表現をしました。

  「やって見てどうだった?」と聞くと

  「カエルの気持ちになったら、カエルみたいにうれしくなったよ。この詩の意味が分かったよ。

  いい詩だね、お母さん。」と太郎吉。

  「うん、いい詩だね。それに、お母さんは太郎吉と同じ気持ちを感じられたということが、とってもうれし

  いよ。」と言いました。

  

  次の日、太郎吉は「授業で先生にほめられた。」と言って喜んで帰ってきました。

  「君はカエルの気持ちがよくわかっているね。みんなの前で発表してください。」 と言われたそうです。

  我が家での動作を使っての音読は、今も続いています。最近は、先生も「動作をつけて詩の音読」を宿

  題にしています。そして、我が家のカエルは「土の中で長い冬眠から目覚めて出てくるところ」から始ま

  るのですから、まるで演劇を見ているような具合です。

 

  以上のことから、子どもに共感すると言う事は、「子どもの心と波長が合う」と言うことだと感じました。

  それは否定的な感情のときでなく、うれしい、楽しい、おもしろいなどという肯定的な感情のときに起こ

  るものです。

  なぜなら、心の波長が合うときは、一方的でなく双方向的に波長の交流をしているからです。

  怒ってばかりでは、波長が合わず共感は得られないのですね。